【展示解説会】地中からのメッセージ①『ー古墳・古代・中近世ー』(房総の村)
公益財団法人千葉県教育振興財団の設立50周年記念展「地中からのメッセージー古墳・古代・中近世ー」に行ってきました。どうせ行くなら、ちゃんと解説をしてくれる日にということで、展示解説会へGO!
動画が長いので4分割で、興味深い点だけ文章にしてみてたんだけど、全部見る場合は動画でということで♪
Contents
石枕と立花

古墳時代の「石枕」とは、古墳内の石棺に遺体を安置する際に頭部を固定するために使われた枕状の石製品です。多くは滑石(かっせき)で作られ、頭を乗せる凹みがあり、周辺には「立花(りっか)」という飾りを差し込むための穴が設けられていました。特に常総型石枕と呼ばれる滑石製で立花が付属する様式は、千葉県北部や茨城県南部で多く見られます。
今回の展示で面白かったのは、立花にネズミがかじった跡があったこと、これは遺体が古墳に埋葬される前の「殯(もがり)」と呼ばれる「古代の葬送儀礼(一定期間遺体を棺に納めて仮安置して行った儀礼)」の際に、遺体にたかっていたネズミがかじった跡ではないか?と推測されていたところ、想像するとなかなかグロイ描写だけど、現代でも一部の地域で「鳥葬(ちょうそう)」とか「獣葬(じゅうそう)」とかあるし、当時は腐るに任せて安置していたことを考えれば、あり得る話だなって思った。
古墳時代の馬の話

弥生時代にはいなかった馬が登場するのが古墳時代、朝鮮半島とか大陸の方からいろいろな技術と都に入ってきたのがお馬さん。特に馬の骨や馬具が見つかっているのが、長野県や山梨県、もう少し時代が進むと群馬なんかでも発見されるようになって、そんでもって千葉にも入ってきた。
今回面白かったのが、馬の飼育に限られた地域限定だけど、周溝から馬の骨と鉄製の馬具一式が出土して、「馬の殉葬が行われていたのではないか?」とみられているところ、中国なんかでは「偉い人が死んだら、お付きの人も殉葬されていた」なんて話を聞いたことがあるけど、どうやら日本では人を殉葬させる風習はなかったとのこと、でも馬は別、「首ちょんぱで殉葬させられていたのではないか?」とのこと、お馬さんかわいそう。
下総型埴輪と山武型埴輪

下総型埴輪は顔や体のつくりが簡略で、足の表現はされず腕は小さく作られているのが特徴。一方の山武型埴輪は立体的に作られ、男性は帽子と髭、二本の足まで表現されているのが特徴で、馬形埴輪も、馬具やたてがみなどが細部までリアルに表現されているのがポイント。
埴輪に関しては、なんといっても「芝山はにわ博物館」、近いうちに行ってみたい場所のひとつ。でも個人的には量産型の埴輪よりも、一品物の土偶の方がかわいくて好き。
