【遺跡巡り】史跡長柄横穴墓と長柄横穴群資料館を散策してみた!(長柄横穴群)

東金の道庭遺跡の現地説明会に行ったついでに、長柄町にある長柄横穴群に行ってきました。
長柄横穴群は、千葉県長生郡長柄町徳増字源六839の辺りにある昔の墓地。長柄町には約330の横穴墓があるらしいのだが、そのうちの36基が集中しているのいるのが、ここ「長柄横穴群」なのだそう。で、この長柄横穴群が有名な遺跡になった理由のひとつとしてあげられるのが、横穴の数だけでなく、多数の「線刻画(壁画的なやつ)」が描かれていたかららしい。
長柄町や隣接する茂原市・長南町などに横穴墓が多いのは、立地的にその周辺には、笠森層と呼ばれる凝灰質砂岩層が分布しており、一宮川による複雑な谷が、狭い丘陵地を作ったからだそうで、その丘陵の部分に穴をあけてたくさんの横穴墓が作られたのだそう。
あと、史跡長柄横穴群の北側にも同じような横穴群「千代丸・力丸横穴墓群」がある。そちらでは、多くの遺物がぼ全域から見つかったらしい。長柄横穴群資料館に展示してある遺物がそれかな。因みに、長柄横穴群からは、須恵器のフラスコ型堤坪、土師器椀、刀の鞘などが出土したんだとか。
詳しくは、上の長柄町のデジタルアーカイブを見ると、めちゃくちゃ詳しく解説されているので、横穴墓についてはそちらで。
【長柄横穴群への案内板】

【こんな感じの田舎道】

行き方は、ナビで行けば簡単に行けるけど、後半は道が少し狭いので、車ですれ違うのは少し難しいかも?でも大丈夫!マジで人いないから、全然すれ違う気配ないから。注意すべきはイノシシだけじゃねw
【長柄横穴群資料館】

というわけで、現地に到着。立派な施設と駐車場があるけど誰もいない。でもトイレは24時間利用可能らしいので、夜のお墓でお化けと運動会をしたければ良さそう。あとどうだろう?監視カメラがあるから大丈夫だろうけど、一昔前なら不良のたまり場にもなっていそう。
まぁ、とりあえず、お化けでも不良でもどっちでも嫌だし、単純に夜は怖いだろうから行かない方が良いと思う。
【長柄横穴群資料館入口】

長柄横穴群には、15台くらいの駐車場と隣接の公園と資料館がある。資料館は無人で施錠されているので、中に入りたい時は、入り口横のインターホンを押すと、町の職員が応答して5分後くらいにドアを開けに来てくれるシステムになっている。尚、トイレは施錠されていないので、いつでも利用可能。
【長柄横穴群資料館の展示物】


資料館の中は、横穴墓の解説や近所の遺跡の遺物などが展示されている。中でも一番メインになるのが、第13号墓の線刻画の原寸大レプリカ。モチーフは、主に人物・鳥・五重塔・舟に乗った人などが描かれている。
ネタバレになっちゃうから写真はあえて少ししか掲載しないけど、線刻画に描かれている絵は以下の通り。線刻画の実物は、普段は保存のため封印されているので見ることができない。
【第13号墓の線刻画の原寸大レプリカ】


いよいよメインの横穴墓散策。長柄横穴墓は、主に第1群と第2支群からなっていて、見学できるのは、第1支群の数墓。その他は保存のためドアをつけて保存されていたり、コンクリートで固められていたりする。
【長柄横穴墓の案内板】

まずは、第2小支群から、丘を登りながら開けた森の中を進むので、夏場は蚊が多そう。この時期に来て良かった。横穴墓自体は、ただのぽっかり空いた穴なので、特に見どころはない感じ。
【長柄横穴墓(第2小支群)】

なんか、HUNTER×HUNTERのキメラアントの巣を思い出したよ。それぞれ横穴墓の中の形が違ったりするけど、個人的にはよく分からなかった。でも、横穴墓ひとつひとつに丁寧なイラスト付きの解説があるので、そこはかなり親切。
長柄横穴群の横穴墓は「玄室」が一段高いところにある「高段式」と呼ばれる珍しい形。因みに、遺体を置く場所は「玄室」、通路は「羨道」、祭りごとを行った場所は「墓前域」と言うらしい。
玄室内部は、家形・ドーム型・縦アーチ形などの形をしていて、羨道や玄室内部には、白色漆喰が塗られている。
【長柄横穴墓(第8・9号墓)】



ただ、線刻画が描かれている横穴墓は保存のためなのか、完全にふさがれていて、実物を見ることはできなかった。もしかしたら、現地解説会とかある時は開いて見せてくれるかもね。
【長柄横穴墓(第6・7号墓・第13号墓)※封印中】



見学できる横穴墓は、内部の撮影もOKなので、ちゃんと撮りたい人はライトがあると便利だと思う。でも、おろちんゆー(ユーチューバー)のゲジゲジの捕獲場みたいな雰囲気なので、季節によってはバカでかいゲジゲジとかいそうだな。肌寒い季節で良かったよw
【長柄横穴墓(第11号墓)】

千葉県はクマがいないから良かったけど、クマがいたら巣穴とかにしてそう。ただイノシシは結構出るっぽい。あ、あと千葉県南部だからキョンもいっぱいいしるかもね。
