【博物館】石の使われ方!耳飾りの製作と色違いの土器が面白い!(朝日町まいぶんKAN)

縄文スタンプラリーの続きで「朝日町まいぶんKAN」にやってきました!
朝日町まいぶんKANは、富山県朝日町の埋蔵文化財保存活用施設で、朝日町の国史跡不動堂遺跡や境A遺跡(共に縄文時代)、浜山玉つくり遺跡(古墳時代)の出土品が常設展示されています。
また、前庭にある「縄文ガーデン」では、縄文時代の人々と共にあったカラムシ、エゴマ、野生アズキなどの植物を観察し触れることもできる博物館です。
朝日町まいぶんKAN

中はわりとこじんまりした博物館。でも、作りかけの石器や装飾品。日本海側ならではのヒスイの展示。色違いの土器など展示品があって、なかなかに面白い博物館。
特に今回は、朝日町の遺跡において「玉作り」が始まった時期である縄文時代前期の遺跡、柳田遺跡をとりあげた特別展が開催されていて、石製の耳飾りや磨製石斧などの展示があって、珍しいものをたくさん見ることができました。
玦状耳飾

石製の装飾品で、出土状況から耳飾りと考えられています。
形状は、円形や楕円形や三角形に近いドーナツ状で、一部に切れ込みがあり、明石A遺跡からは金環形、柳田遺跡からは楕円形、馬場山H遺跡からは三角形というように、3つの遺跡からそれぞれ違う型の玦状耳飾が出土しました。

縄文時代前期初頭の明石A遺跡(約6000~7000年前)では、滑石という柔らかい石で作られていましたが、少し時代が進んだ柳田遺跡(約6000年前)では、蛇紋岩や透閃石岩といった磨製石斧にも用いられる硬い石も使われていました。

柳田遺跡では、原石や制作中の未成品や完成後の破損品などの様々な段階の玦状耳飾が見つかっていて、切れ目を切っている段階の未成品は、まだ中央に穴があけられていないので、穴と切れ目の製作工程が分かる資料になっています。
石と石器

柳田遺跡から出土した石や石器。素材には黒曜石、メノウ、頁岩、鉄石英などが使われている。

石鏃といえば、黒曜石のイメージだったけど、いろいろな種類の石がたくさん拾えるだけあって、バリエーションが豊富。



こっちは製作中の磨製石斧。材料は海岸で採取できる蛇紋岩系の石が多く使われているらしい。製作工程は、まず原石を割ってある程度の形を作り、叩いて形を整えていって、最後は磨いて作る。
翡翠(ひすい)

新潟県の北西部や富山県の北東部といえば、忘れちゃいけないのが翡翠。
日本で翡翠が利用され始めたのは、縄文時代前期前葉で、一番古い出土品は、新潟県糸魚川市の大角地遺跡(約7000年前)の翡翠製の敲石。今でこそ翡翠は宝石として知られている石だけど、縄文時代の最初のころは、その硬さと重さを利用して道具として使われていたらしい。

実際、明石A遺跡では、縄文時代関初頭に滑石を玦状耳飾に使っていた滑石のほかに、翡翠、メノウ、黒曜石などが石材として見つかっているが、翡翠に関しては原石や割られたものが見つかっているだけで、玉製品に加工された痕跡はないらしい。
多分、明石A遺跡の時代(約6000~7000年前)は、まだ翡翠は装飾品として使われていなかったんだろうね。

柳田遺跡でも、多数の翡翠が出土しているが、玉はなく、原石のままだったり、割られたものだったり、敲石だったりする。
因みに、同じ朝日町でも、柳田遺跡(約6000年前)よりも後の時代、境A遺跡(約4800〜2500年前)になると、翡翠の大珠(たいじゅ)、勾玉(まがたま)、丸玉、垂玉などの完成品に加え、加工途中の未成品や原石が数万点に及び出土したらしい。そのことからも翡翠は後世なってから装飾品として使われ始めたのが分かる。



翡翠の原産地は、新潟県糸魚川市にある「小滝川ひすい峡」「青梅川ひすい峡」で、砕けて川を流れてきた原石が海に流れ着き、潮と波の力で海中を移動して西へ運ばれ、最終的に朝日町の海岸に打ち上げられたものが使われていた。
いろいろな土器

蜆ヶ森式土器(Ⅱ式)

柳田遺跡で発見された土器の中では、最も古い時期の土器。上部にはシワのような細い筋が横に走っていて、胴体の部分には縄文文様がジグザグに付けられている。縄文時代前期(約5500年前)の北陸地方を代表する土器型式で、朝日下層式などとともに北陸の土器文化を形成した土器型式なのだそう。
福浦上層式土器

時代的には、縄文時代前期前期後葉〜末葉に位置づけられています。関東地方の「十三菩提式(じゅうさんぼだいしき)土器」や「諸磯(もろいそ)C式土器」といった型式とほぼ同じ時代(並行する時期)にあたります。



特徴は、器の表面に施された渦巻き文(うずまきもん)や複雑な沈線文、特徴的なヘラ描きの装飾など。
真脇式土器

縄文時代前期末葉(約5700年前)の代表的な深鉢形土器です。石川県能登町にある国指定史跡の真脇遺跡などで出土しています。
色違いの土器

土器本体と粘土紐の色が赤と白で分かれている土器。わざと色を変えて模様が目立つようにしてある。



今まで博物館でいろいろな土器を見てきたけど、この発想はなかった。これは斬新!
とまぁ、こんな感じで小さい博物館だったけど、展示内容は目を引くものばかりで、なかなか見ごたえのある博物館だった。特に石器や装飾品を作っている行程が分かる出土品は面白かった。
